「鎌倉散歩」 (その27)   得田 皓則 

大船観音

 東京方面からJR大船駅に近づきますと、右側にくっきりと白衣の観音像が見えてきます。この観音像を見ただけで、あ!大船だと分かります。しかし、この観音像を見に行った方はあまりいないのではないでしょうか?

大船観音像



観音像の大きさは 高さ 25メートル 巾 19メートル 奥行 13メートル

 1929年(昭和4年)永遠に平和の礎を築かんと護国観音建立会が発足し、尊像の輪郭が出来ました。しかし、その後太平洋戦争で資金、資材が思うに任せず、未完成のまま20数年を経過します。その後、曹洞宗管長高階隴仙禅師、国務大臣安藤正純氏、東急会長五島慶太氏の協力の下、財団法人「大船観音協会」を設立。新たに1957年(昭和32年)東京芸術大学教授山本豊市氏が奈良法華寺の国宝十一面観音を参考に前田青頓氏の意見などを取り入れながら、彫型造仏の骨格を完成し、3年の歳月と4千万円の巨費を投じて大船観音は1960年(昭和35年)4月、着工から30年ぶりに完成しました。現在は、財団法人から大船観音寺と改称されております
 近年、日本で暮らすアジアの人々の心のよりどころとして、毎秋、「ゆめ観音」と題して各国の音楽舞踊が奉納されます。

観音像の内部

(了)