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▽網走市への提言  「広域・滞在型観光」の進め  東京網走会事務局長 得田 皓則 

  今年の網走は大変寒かったようで、時々天気予報で話題になっていました。そう言えば、昔はもっと寒く、しかも暖房もきいていなかったのに、良く生きていたものだと我ながら、感心しております。網走から見ると、大変暖かい鎌倉に住んでいて、寒さに震えているようでは、思えば、軟弱になったものだと情けない限りであります。

  さて、流氷が来て、流氷祭りが行われてと、冬になると、ひとしきり網走が話題になります。観光客も、何とか昨年並みと報じられているようです。しかし、旅行会社のパンフレットを良く見ると、2泊3日位の日程ですと、網走は素通りというケースが多い事に気がつきます。大分前に、滞在型の観光に変身して行かないとならないのではないかと、提案をしました。その考えは、今も変りませんが、まだ、そういう体制は出来ていないように思います。私も、そろそろ会社生活から離れる時が来ましたので、例えば、夏の2〜3週間でも網走に滞在して、昔の仲間とのんびりと楽しもうと思っても、観光旅館とかホテルでは、お仕着せの料理に飽きるし、滞在費も高くなります。第一、落ち着きません。外国のリゾートなんかにある、コンドミニアムのように、景色の良い所とか、便利な所にゆったりとした部屋があり、そこで食事も作れるし、勿論、外食も良いという形の滞在が出来ればと思います。

  所で、網走を中心にした色んな観光名所とか、催し事等を関心を持ってみており、もう一つ気がついたことがあります。網走出身の私としては、網走を中心としたサロマ、常呂、女満別、斜里、知床、東藻琴に至る一帯は日本でも最も素晴らしい、観光地の一つであると思っております。しかし、先ほどの、滞在型の観光は出来る環境にありませんし、何より、今あげた、各市町村がバラバラに宣伝をしており、面としての宣伝が出来ていないように思います。

 例えば、最近、東藻琴の芝桜が売り出していますが、それだけでは、観光バスがすっと寄って、次は、層雲峡という事になります。網走の流氷というと、オーロラ号に乗って、同じく、次は、阿寒という事になります。
それに対し、流氷の時期、オーロラ号もあれば、知床では、流氷の下に潜水できる、網走湖ではスケートが出来る、女満別では歩くスキーが出来る、サロマ湖ではワカサギ釣が出来る、温泉はどこにある、冬の料理は、なにがおいしい、そして、滞在は網走のコンドミニアムが良いとか。また、芝桜の時期はサロマ湖から網走湖までサイクリングが出来るとか、知床では熊に遭える?とか、ゴルフはどこで出来る、山菜取りはどこ、女満別では広大な麦畑をみて、自分でも、ジャガイモとか、カボチャが植えられ、収穫期には来ても良いし、送ってもくれる(時期が合うかどうか知りませんが)とか、更に、オホーツク文化はモヨロ貝塚、そして、滞在はサロマ湖畔とかいう広域の一体となった取組をし、観光客を滞在させる事が出来ないのでしょうか?場合によっては、市民のシルバーボランティアによる、観光案内とか、山菜取り、魚釣りの指導とかと言う物も組み合わせられると、なお一層厚みが出るかも知れません。

 聞くところによると、この地区の人口は毎年減少の一途だということですが、今時は、工場を誘致するという話は、可能性がありません。日本有数の観光資源を最大限に生かす事を考え、それによって、やはり、ジリ貧傾向にある、漁業と農業に観光による、付加価値をつけることも出来るのではないかと思います。
以上、遠くから見ていて気がついた「広域・滞在型観光」の進めであります。一日も早く、懐かしい網走にしばし滞在し、楽しめる日が来るのを楽しみにしております。

(2003/3/1)

             

▽網走市への提言     「滞在型観光へ」   =東京網走会 得田 皓則=

 東京は、今年の夏は毎日のように熱帯夜が続き、耐えられない程の暑さであります。この暑さの中、涼しかった網走が大変懐かしく思い出されます。
 数年前までは、両親が網走におりましたが、今は両親ともにありませんが、仲の良い友人がおります。もうすぐ会社を引退して、時間が自由になる時を迎えようとしております。暑い夏は、涼しい網走で昔馴染みと旧交を温めたり、ゴルフをしたり、ハイキングをしたいところですが、はたと困るのが、網走での生活する拠点であります。一般の観光客相手のホテルや旅館では高いし、彼らも我々のような人を歓迎しないと思います。
 最近多い、道東の旅行の案内を見てみますと、網走を素通りするコースが多いように思います。こういう一般の旅行客もそれなりに大事だと思いますが、これからの網走にとっては滞在型の観光客を取込む事が大事ではないかと思います。そして、滞在型の人を引き付けるだけの魅力を持った町だと思います。(もっとも網走出身の欲目かもしれませんが)
夏には、ラクビーを初めとしたスポーツ合宿が大流行のようですが、これなども滞在型の観光の一つだと思います。
 滞在型の観光を展開するためには、いくつかの必要な要件があると思います。
先ず、通常の観光ホテルではなく、食事はなしのコンドミニアムのような施設、東京で言えばウイークリーマンションのような快適で簡易な宿泊施設が必要でしょう。
そして、更に、滞在する人達に滞在中の付加価値を提供する事が出来るかという事が重要でしょう。このメニューをどう揃えられるかは滞在型の観光が魅力的なものになるかどうかを左右する事になるでしょう。ラクビーのチームには良いグランド、快適な合宿所等が必要でしょうが、それと同様なメニューをアイディア豊富に用意できる事が条件になります。
そして、これらを推進するには行政の負担だけでは出来ないので、市民の人のボランティアを期待したいものです。
例えば、市民農園のようなもので、ジャガイモでもカボチャでも植える事の出来る農地、植える時と収穫の時の指導、途中のメンテナンスとか、釣りをしたい人には、釣り場の紹介と指導とか、知床の山に登りたい人には、その紹介と指導とか、サイクリングをしたい人、ハイキングをしたい人にも同様、ゴルフも同様、囲碁、将棋をしたい人にも同様、スキー、スケートも同様です。或は、市民講座への参加、市民と他県に住む人との議論などは、刺激があるかもしれません。
こういったアプリケーションを真夏と流氷の季節だけではなく、年中用意できるかどうかが重要でしょう。
 そして、最後に町が気に入って移住してくる人が出てくればベストですが、どうでしょう?!

  

DATE : 1/18 12:45:13
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name = 才野光男
email = saino@d5.dion.ne.jp
sex = 男性
comment =

「網走への提言」へのお願い

 得田さんの御提言 興味深く拝見いたしました。全くその通りと思います。
 現在、学校にもパソコンが増強されつつあるようですし、市内のプロバイダーが団結して「協会」を設立する機運にもあります。
 孫達のパソコンへの屈託のない取り組み姿勢を見れば、「パソコン、インターネット=算盤」の時代は、目の前との感を深くします。
 全国何処でもそうなる筈です。
 問題は網走ならではの特徴を、I/Tにいかに盛り込むかではないでしょうか。
 網走には映画館がありません。北見まで出掛けて、テレビとは違った擬3次元空間の迫力を楽しんでおります。
 マルチスクリーン・コンプレックスを網走にも、と最近は思わなくなりました。日曜日でも客席はまばらです。共倒れは避けなければなりません。市内以外には殆ど信号のない道を、他言を憚る速度で走れば1時間足らずで、無料の駐車場へ到着します。
 網走は北見の真似をしない。両市は棲み分けるべきでしょう。
 そこで、網走独自のものをアピール出来るようなI/Tの利用が必要になります。
 例えば「流氷」です。菊地慶一さんが、最近立派な本を編集発行されています。
 今年は、予想外に早い流氷の到来でびっくりさせられました。「観光船」も慌てた事でしょう。早くに就航させていれば、何千人かの観光客を満足させられた筈です。
 アムール川河口の人たち、サハリン東岸の町、等とインターネットで繋がれていれば、気象台より早く、流氷接岸を予想出来たかもしれません。
 経済的な話だけではなく、もし南ヶ丘高校と現地の高校の科学サークル同士で情報交換が出来れば、文化交流、自然保護、石油開発に伴う海洋汚染の防止など、若い人たちの勉強に大変役立つと考えます。
 目的意識のないITは、宝の持ち腐れになるでしょう。
 流氷の源流にまで思いを馳せ、オホーツク圏に目を向けて、初めて「北方民族博物館」も生きて来るような気がします。
 提言と示唆をお願いします。人材は沢山いますが、多いほうが良いでしょう。網走へお帰りください。
 四十数年ぶりに、故郷へ戻った老人の戯言です。既にその様なシステムが出来ているかもしれません。乞う、ご容赦。
 序でに、網走会・会長さんも個人のメールアドレスを持っては如何でしょうか? 


 

▽網走への提言  IT都市「網走」へ                  

                     =東京網走会 得田 皓則=
                              
 私は3〜4年前、網走新聞に網走市をインテリジェントシティにするよう提案しました。例えば、無駄な公共投資はやめて、小中学校にパソコンを導入するとか全市にネットワークを張ると言った提案をしたと思います。まだ、ITという言葉が一般化しておりませんでしたが、その後、IT化の動きは急速に高まっております。

 近年、北海道のみならず全国各地で、札幌のような中心都市は人口が増加するが、その他の都市はじりじりと減少するという構図があります。網走市も残念ながらその典型的な都市であるようです。市の行政の責任者はこの構図を変えるべく頭を悩まされていることと存知ます。

 さて、網走市の各産業の将来計画は良く知りませんが、外から見る限りにおいては、漁業、農業と言った第一次産業を基本に置き、観光を大きな柱に据えるということかと思います。その為に港を整備したり、観光地を開発したりしているのだと思いますが、人口の変化を見る限り、効果的な成果を上げているとは言えないように思われます。
 
 ジリ貧の構図を変えることが出来る可能性が有るとすれば、やはり、今はやりのIT化に市を挙げて徹底的に取組むことだと考えます。
 
 幸いその萌芽はあります。それは数年前から展開している網走市が中心になっている「ohotuku26」にあります。開設当初から行政としてはなかなか積極的な取組みをしていましたし、その後の展開もなかなかなものと思います。これに触発されたのか一般のホームページにも見るべきものが出てきました。

 しかし、これは可能性が有ると言う事であって、IT都市「網走」というためには総合的なIT化対策が必要になるでしょう。

1)先ず、小中学校のIT化が必要でしょう。小中学校全校へのパソコンの導入と教育が必要になります。将来の可能性を高めるためにも子供達のレベルを上げていくことが重要になります。多分、テレビゲームで鍛えた子供達は驚く速さで上達するでしょうし、世界中の子供達と交流するようになるかもしれません。
ただ、問題は教員の中にどれだけ指導できる人がいるかと言うことがあります。北見工業大学とか東京農大の協力をうることも必要でしょうし、ボランティアを求めることも考えられます。当然、高校のレベルでもそれなりの対応を考えることが必要になります。

2)次に、やはり網走市全域の家庭、市民にパソコンを導入し、支援をすることです。いわば、e-コミュニティを作ることです。購入のための援助も必要でしょう。今迄、パソコンをばら撒いた地方では殆ど尻すぼみになって失敗しております。これはまだまだ使い方が難しいことにあります。その点でもボランティア等を含めサポートを徹底的に出来る体制を作ることが大事になります。アメリカではパソコンを使える人と使えない人の格差、デジタル・デバイドが大きな問題になっております。

3)また、現在ではインターネットに接続することも必須になります。安く、高速なインターネット網を構築することも必要になります。
そうする事で、パソコンでウエブサーフィンをする事によって知ることの出来る世界は果てしないものがあります。また、市の連絡を始め、学校の連絡、趣味のお知らせ等々電子メールやホームページを使った世界は市民のまとまりがとても良くなるのではないかと思われます。
この場合の問題点は、安価で高速のネットワークの設置になります。現状では簡単な解がありませんが、技術の進歩も早いために意外に早く解が見つかるかもしれません。

4)パソコンが導入され、ネットワークが充実するとWebを使った商売が展開できます。もう既に「ohotuku26」を始めとして多くのホームページが開設されておりますが、これは、今迄、網走からは素材として出荷され、内地の企業が付加価値をつけると言う構図を変えるチャンスになります。多くの生産者や商店がホームページを開設することによって世界中に販路を広げることが出来ます。現在は決済を含んだものはあまりない様ですがそれも技術的には可能になります。とは言え、ホームページの開設にも積極的な支援が必要になるでしょう。

5)若い人達が帰ってくるようになるためには職場を用意しなければなりません。
IT技術を身につけた若者が東京や、札幌に出て帰ってこない事には人口の減少に歯止めがかかりません。高速かつ安価なネットワークを備えたIT開発環境を整備してソフトウエア産業等を誘致することです。残念ながら、今のところは高速のネットワークがネックですが、多分、急速に改善されるでしょう。雄大な知床連峰を見ながら、稀有壮大なソフトを開発する素晴らしい環境を用意することが出来るとすれば、可能性はあると思います。今時、製造業の誘致は時代遅れです。背景に、北見工大と農大しかないのが弱点ではありますが、農大にIT関連の講座を設置してもらうことが出来れば少しは改善されます。

終わりに

 多分、こう言った構想を実現するには大変多くの課題があるでしょう。
最も大きいのが財政的な問題かも知れません。しかし、土木を始めとした公共事業に投ずる金を考えればそう問題ではないでしょう。むしろ最大の問題は人材かも知れません。こういった企画を総合的に出来る人、更に小中学校を始めとした学校におけるIT教員、市民や商店、生産者をサポートする人といった人材がそう多くはないかもしれません。
こういった問題は、多分、東京や札幌といった大都市を除いた全国共通の問題でしょう。いち早くブレークスルーを見つけて手を着ける事が出来るかどうかで、相変わらずのジリ貧を続けるか、発展の道を見つける事が出来るかの違いになるでしょう。

幸い、東京網走会の会長はハイテク業界に明るい志村さんになりましたし、網走からハイテク関連の業界、学界に進まれている方も多いと思います。そういった人達の知恵をも動員することが出来れば解が見つけられるかもしれません。

21世紀にIT都市「網走」が実現し、大いに発展されることを祈念しております。 (了)

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